緩和ケアとは、「生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、疾患の早期より痛み、身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確に評価を行い対応することで、苦痛を予防し和らげることで、クオリティー・オブ・ライフ(QOL)を改善するアプローチである。」とWHO(世界保健機構)で定義されております。
当院では2018年7月に多職種で構成した緩和ケアチームを立ち上げました。悪性腫瘍に限らず、病を抱える患者さんが人生の最期の時を迎えるその時まで、患者さんとその家族の意思を尊重し、「その人らしく生きる」を支えることを目標とし、活動をしております。
当院も含め、島内にホスピスや緩和ケア病棟はありません。その中で、最期を迎えるその時まで、一日でも長く穏やかな日常生活を過ごしていただくことを目標に、それぞれの職種の専門性を活かした意見を出し合い、ケアの提案を行っております。また、患者さんの身体や心のつらさを和らげ治療に取り組めるようにしていくことや、病気と共に患者さんの望む生き方ができるよう、患者さん・ご家族と一緒に
※令和3年度 緩和ケアチームの介入を行った患者さんは61名でした。内55名が悪性腫瘍での介入、6名は肝炎や腎不全などの疾患の患者さんです。
【緩和ケア外来】
毎週水曜日、木曜日に外来を行っております。
病気の進行により、人は様々な症状が起こり得ます。病気に対する積極的な治療を行わずとも、痛みが出れば痛み止めを、息苦しさが出れば酸素投与を、といったように、苦痛症状の緩和を最優先とし、一日でも長く日常生活を送っていただけることを目標に、緩和ケアとしての治療を行っております。
当院に通院中の方は主治医に相談していただき、緩和ケア外来の受診予約をおとりください。
島内島外問わず他院に通院中の方は、現在通院中の主治医から当科へ紹介していただくようになります。その際は、当院地域連携室を通して当科外来の受診予約をおとりください。以下の様式に沿って、事前に情報収集をさせていただく場合がございます。
【入院】
当院にはホスピスや緩和ケア病棟はありません。一般病棟での入院の受け入れとなります。
【緩和ケアラウンド】
週に1回当院入院中の方を対象に、ラウンドを行っております。
【緩和ケアチームカンファレンス、委員会】
月に1回職種や病棟外来を問わずチームメンバー全員で集まり、チームカンファレンスと委員会を行っております。カンファレンスでは現在入院中の方を中心に話し合いを行います。委員会では各職種や部署でテーマを決め、勉強会を行っております。その場にいる全員が緩和ケアに対する知識を深めていけるよう、日々研鑽を積んでおります。
★緩和ケア委員会の様子
【在宅療養】
自宅で緩和ケアを受けるための制度です。在宅療養を受けるには、訪問診療や訪問看護、訪問介護、訪問入浴などの在宅でのサービスを整える必要があります。当院は訪問診療を行っておりませんが、在宅療養を望まれる場合は、訪問診療医の紹介など必要な在宅サービスの調整を行います。当院外来へ通院しながら、訪問診療を受けることも可能です。また、在宅療養中でも入院が必要となった場合は、当院での入院の受け入れも可能です。
【ACPについて】
ACPとはアドバンス・ケア・プランニングの略称です。将来の変化に備え、将来の医療やケアについて、患者さんを主体にそのご家族や近しい方、医療・ケアチームが、繰り返し話し合いを行い、患者さんの意思決定を支援するプロセスのことです。当院では以下の用紙に沿って、この先の人生の過ごし方を確認していきます。
また、当院では難治性胸腹水に対し、KM-CARTを行っております。
私たちにお力になれそうなことがありましたら、ご遠慮なくご相談いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。