循環器内科
概 要
当院の循環器内科では、患者様の心臓と血管を守り、良質な医療を提供するため、九州大学病院 血液・腫瘍・心血管内科(第一内科)に御協力いただき、常勤循環器専門医1名と非常勤専門医2名の体制で入院診療と外来診療を行っています。
(2024年3月時点)
医師紹介
YASUSHI ONISHI
大西 康 / 副院長
専門医・資格 | ・日本循環器学会認定循環器専門医 ・日本医師会認定産業医 |
所属学会 | ・日本循環器学会 ・日本内科学会 ・日本医療マネジメント学会 |
設備と技術
心臓超音波検査(心エコー)
心臓超音波検査は、放射線を使用しないために患者さんにとって非侵襲的で負担が少ない検査です。心臓の動きや弁の動作、血液の流れなど、心臓のリアルな動態を観察できます。これにより、異常や疾患の早期発見が可能です。
血管超音波検査(血管エコー)
頸動脈、下肢動脈、下肢静脈などの血管についても、高周波の超音波を用いて血管壁や内部構造を観察できます。また、超音波ドップラー法を用いることで、血流の速度や方向を観察することができます。動脈硬化の評価やエコノミークラス症候群(下肢深部静脈血栓症)の診断などに有用な検査です。
エルゴメーター負荷試験(運動負荷試験)
運動としてエアロバイクをこいでいただきながら、心拍数、血圧、心電図の変化などを同時に評価する検査です。患者さんの健康状態を確認し、体力に合わせた安全な範囲での運動量を設定します。
ホルター心電計
当院では、患者さんの日常生活での心臓の活動を記録するために、ホルター心電計を用いています。外来で装着を行い、翌日24時間経過後に取り外します。モニターは軽量で防水ですので装着中に軽い運動やシャワー程度の通常の日常活動は可能です。データを記録した後は、医師の詳細な解析後にご報告となります。
冠動脈CT、心臓CT
当院では64列128スライスCT(2023年3月時点)を用いた冠動脈CT、心臓CTを提供しています。
冠動脈CTでは狭心症や心筋梗塞の原因となる冠動脈疾患の詳細な評価が可能です。
心臓CTについては、九州大学 血液・腫瘍・心血管内科での心房細動カテーテルアブレーションや九州大学病院ハートセンターでのTAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)の術前検査としての心臓CT等を当院で行い、何度も島外の病院を受診しなくて済むように配慮しております。
いずれも造影剤を用いる検査です。事前に腎機能や造影剤のアレルギー歴などの確認が必要です。
植え込み型ループ心電計
原因不明の失神発作や原因不明の脳梗塞などで、長期間の心電図監視が必要な場合に、小さな心電図記録装置を左前胸部の皮下に植え込みます。植え込みの手術は局所麻酔を用います。外来でも可能です。記録は最長3年間可能です。
ペースメーカーについて
ペースメーカは洞不全症候群や房室ブロック等の疾患において、徐脈(脈が遅くなること)による、めまいや失神、息切れなどの症状を改善するために皮下に植え込む装置です。
当院循環器内科ではペースメーカ植え込み術、ペースメーカ電池交換術、ペースメーカ外来などを行っています。ペースメーカ植え込み術とペースメーカ電池交換術につきましては、経験豊富な常勤の循環器専門医が行っております。
定期的なペースメーカ外来は、当院で定期的にペースメーカフォローを行っている患者様を対象に、年2回行っております。また、遠隔モニタリング対応の機種につきましては、患者さんの承諾に基づき、遠隔モニタリングも並行して行っております。
急性心筋梗塞や不安定狭心症などの急性冠症候群について
急性心筋梗塞などの冠動脈疾患は、状況により一刻も早い心臓カテーテル検査・治療が必要となる重篤な疾患ですが、残念ながら、島内には心臓カテーテル検査可能な施設がありません(2023年3月時点)。
そのため、当院では、まず迅速かつ正確に診断を行い、心臓カテーテル検査・治療が必要な治療であるかを判断します。心臓カテーテル検査が必要であると判断した場合には、それが適切な治療法であるか患者さんと十分に話し合います。
カテーテル検査・治療が必要かつ適切であると判断された場合には、初期治療を行いながら、ドクターヘリやジェットフォイルなどの輸送手段を用いた治療対応可能な病院への搬送を手配しています。
実績
ペースメーカー移植術
ペースメーカー交換術
心疾患による島外搬送件数
当院循環器内科では、患者様の安全と健康を最優先に考え、地域において最高水準の心臓治療を提供するために、患者様との信頼関係を大切にし、安心して治療を受けていただけるよう努めています。何かご質問やご不明点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。